2017年7月下旬。富士山(富士宮ルート)に登った記録です。
2017年は静岡県側・水ケ塚公園から富士宮六合目で一泊し山頂を目指す計画。お天気がぜんぜんダメでぎりぎりまで悩んだけれど、やめたらやめたで後悔しそうなので出発。期待しないからと自分に言い聞かせつつ、こころのどこかでぽこぽこと湧き出る期待感。山バカです。
出発はいいお天気。素晴らしい富士山の樹林帯。御殿庭と言うんだそうですね。あまり語られませんが、日本最高の樹林帯でしょうな。本当に美しかったです。雨もちょっと降ったけど、鹿もいて楽しく歩けました。
振り返ると駿河湾。富士山ならではの大自然。そうか静岡県側から登ると海が見えるのか。素敵です。
この後ガスってしまったけれど、涼しくて気持ちよかった。山室にさっさと行こうと思った瞬間にがーっとガスが晴れて、宝永山火口がどーんと現れました。びっくり。すごい。これだからお山はやめられません。もうスマホじゃ撮れないくらいの大きさ。
翌日目が覚めたらなんと高山病。
前の日は絶好調だったのに。どうしてだろう?どうしてだろう?ボケた頭で考える。低気圧?仰向けで長く寝すぎた?ゆっくり高度を上げたのになあ。横になる。目覚める。あれ?治ってる。あれ?あれ?
山室の人に相談しつつ、ちょっとだけ上がってみることに。ただ、この日は寒かった。胸に冷たい風があたる。山頂までの路が一枚岩のように見える。降りてくる人もげっそりさんばっかり。厳しい富士山の姿だ。
よし。くるりと方向を変えてごんごん降りる。楽になる。下りの小走りは得意技。バスもばっちりのタイミングで出発。どんどん楽になる。
麓の花の湯で一泊。宿の裏のタッチパネルでオーダーする今時のお寿司屋さんのお寿司が激しく美味しくてすっごく食べた。おなか減ってたのね。ビールも飲んだよ。
翌日は富士山本宮浅間大社をきちんと参拝。いい場所。富士山の表玄関。富士山の水が溢れる神聖な場所。もっと近寄りがたい雰囲気のある神社を想像していたけれど、親しみ感いっぱい。
美智子妃殿下のお歌にもぐっと来る。「夕茜(ゆふあかね)に入りゆく一機 若き日の 吾(あ)がごとく行く 旅人やある」(夕焼けに染まる空に飛んでゆく一機の飛行機に ご成婚前に単身渡欧された自身の姿を重ねあわされた御歌)
でも「悔しい」。しつこいが「悔しい」。なんだこの負けず嫌い発動は?めんどくさいことは嫌いなはずなのに。顔が迷いだらけだったんだろうか?お掃除している氏子さんが話しかけてくれる。登れなかったと言ったらけらけらと笑顔。別の場所でも「山ですか?」と話しかけられ、7合目で撤退を話すとけらけら笑顔。なんだ?なんだ?この雰囲気。静岡の方優しい。
しかし本当にいったいこの悔しさはなんだろう?この青春な気持ちを思い出させてくれるのが富士山なんだろうか?ただ負けず嫌い大発動しながらも、片方で「旅って楽しい」を実感できました。
おみやげ:①山室で買った手ぬぐい、最高②宿で買った村松昭さんの富士山鳥瞰図。これのすごいところは富士山周辺の地酒が余すことなく描かれていること③予備知識なしに寄った蔵元で試飲したら美味しすぎて秒で購入。高砂の「ロック向けですよ」。一升瓶抱えて帰宅。