夏の鯨

登山/写真/編み物

塔ノ岳に登る。大倉尾根は禅の道。(2023年6月・梅雨入り前に丹沢山塊)

 

塔ノ岳に登ってきました。久しぶりです。

朝6時、急にスイッチが入ったんです。「あたし山が好き!行かなくちゃ!塔ノ岳。」と。

 

塔ノ岳は2016年の春以来。2015年に引っ越して、丹沢が遠くなったのです。加えて2020年からのコロナで、賑やかな小田急線を避けていたらなんと7年ぶり。そんなに来てなかったのか?と我ながら驚いた。

 

さて自宅を出発。小田急渋沢駅から登山口である大倉までの朝のバスが頻回のタイミングに間に合うように、ヘアメイクは帽子とマスクで誤魔化し、アネッサ握りしめ、ちょっと遠いいつもと違う駅までチャリを飛ばす。スピードハイクを決め込み、荷物はとってもコンパクト。大きいカメラも持たずに出発。

 

大倉。何とか9時台に登山開始。たまたま開催されていた「丹沢ボッカ駅伝」に遭遇。お祭りムードが良い。

そんな中、自分は心地よい緊張感でいっぱい。

というのも、塔ノ岳の標高は高尾の倍、歩く時間も倍。標高差も倍。ガチ。ボッカさんリスペクトレースが開催される、すなわちリフトケーブルはない筋の通った山なのです。

 
 
 
 
 
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選手が頑張っている姿に勇気をもらいつつ、伴走者にもぐっとくる。駆けっこは永遠に平和なスポーツだ。

駅伝ゴールの花立を越え、金冷やしを抜けたあたりで気が緩む。心底腹ペコで疲れ切っている自分を励ましつつ登頂。360度真っ白。富士山、周りの山はもちろん、秦野の街も真っ白。海ももちろん見えない。でも、充実感はすごい。駅伝のお陰だな。山が好きな人をいっぱい見た。

 
 
 
 
 
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お昼ご飯。冷静を装いつつ、ガツガツと持ってたものを胃袋に流し込む。飴ちゃん袋の中のひと口羊羹がデザートだ。野獣のような自分、いやじゃない。お腹いっぱい。一息つく。あたしががっついている間にガレージブランドに身を包んだカップルの珈琲がやっと入った。それぞれの時間。

 

それにしても真っ白だ。真っ白でも雨でも「楽しかった」というあの感覚に浸りつつ、出発が遅かったのでそそくさと立ち上がる。

 

小屋の鹿手ぬぐい、新色が出てないかな?と尊仏山荘を覗いたら、何と新柄になっていた。山手ぬぐいとの出会いはいつだって嬉しい。

 

下りは、駅伝の賑わいもひき、静かな世界。ストックを手に、リズムよく。後半は脚がかなり疲れたけど、先を行く同じペースのお嬢さんに導かれ無事下山。

 
 
 
 
 
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大倉でビールを一杯。毒が抜けた。何もない。悩みもない。これって「禅」ってやつ?ああ、ついに気が付きましたよ。ただ長いだけの尾根ゆえに、バカ尾根と呼ばれる大倉尾根の真の姿に。頭を空っぽにして(バカになって)感じる世界を禅と呼ぶのなら、まさにここは禅の道。

 
 
 
 
 
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渋沢駅からなんとか歩ける風呂屋にチェックイン。電気風呂でびりびりと膝をマッサージ。壺湯にたっぷり浮かんだ後、外に出たら夕暮れの空に、富士山が。何だろうこの愉快な感覚。お山、万歳。楽しかった。

 

 

 

※2016年のお正月の様子です。山は何も変わってなかった。すごいな。

 

※登山路を入ったすぐのところに、水飲み場が出来ていました。蛇口が2口あります。



 

 

 

 

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